ターナー症候群について

染色体異常が原因で体に様々な不具合が生じてしまうターナー症候群。

女性に見られる体質で知名度も低いことから社会認知度は低く、まだまだ改善の兆しが見えていないこの体質について、ここでは解説します。

ターナー症候群

染色体異常が原因のため、今のところターナー症候群そのものを治す方法はありません。

しかし、ターナー症候群をなるべく早めに発見して、しかるべき処置・治療を行えば低い身長や思春期における発達の遅れはそれだけでだいぶ対処することができます。

ここでいう適切な対処について。

もう少し詳細に解説すると、例えば、背が低ければホルモン治療(成長ホルモン)に頼ったり、二次性徴が起こらなければこちらもホルモン治療(女性ホルモン)といった具合です。適切な時期に適切に対処することで、身長を伸ばし、二次性徴を起こすことができるという意味です。

そうすることで、ターナー女性は健康な人生を送ることができるのです。

健康な人生を送るために

そのために大切なのが、早期発見・早期治療です。ターナー症候群を早期に発見することで、ご本人と保護者がターナー女性の体質を正しく理解する時間的余裕を得ることができます。

また、成長ホルモンによる治療を早期に開始することで極端な低身長を防ぎ、成人身長を日本人女性の平均身長に近づけられる可能性が高くなります。

さらに、低身長を改善したうえで、女性ホルモン補充療法を開始して二次性徴を適切な時期に誘導することもできます.これによって月経が始まり、女性らしい体格に変わっていくことができるのです。

ここでいう早期治療とは、10歳よりも5歳、5歳よりも1歳といったように、少しでも早く治療を始めたほうが良いと専門家の間では考えられています。

特に、低身長が目立つときは1歳~2歳からでも治療することをおすすめします。

成長ホルモン治療をl歳半から始めた人と6歳から始めた人を比べたグラフ(後日記載予定)をご覧いただくとわかりやすいのですが、1歳半の時点では二人の間に身長差はありませんが、6歳の時点では大きく差がついています。

成人身長の差がどれくらいになるかはこの時点ではわかりませんが、早く身長が追いつくということは社会的・精神的観点から良いことだと考えています。

また、ターナー女性はほぼ例外なく、思春期が遅れるという問題があり、成長ホルモン治療に加えて女性ホルモンによる治療も行います。ターナー女性のQOLを考えて女性ホルモン治療を開始する時期を決めるわけですが、女性ホルモン治療をいきなり多量で始めると成熟が進む代わりに、身長の伸びは止まってしまいます。

とはいえ、身長を仲ばすことを優先して女性ホルモンの治療開始を必要以上に遅らせるのは情緒や精神面の発達から望ましくありません。

ホルモン治療(成長)に早い時期から着手して身長を意図的にでも伸ばすことは、2~3年以上の時間をかけて女性ホルモン治療を漸増する形で行えるという意味でも重要なのです

ターナー女性の出生率は女性の1000~2000人に1人と想定されています。仮にターナー女性が2000人に1人の頻度でいたとすると、日本には成長ホルモン治療の対象となる5~18歳までのターナー女性が約4500人いることになりますが、実際に成長ホルモン治療を受けているターナー女性は約1200程度しかいません。

つまり、診断されていないターナー女性がまだまだ多いのが現状なのです。

成長ホルモン治療を受けることで、5~10㎝は背が伸ばせる

成長ホルモン治療を受けることで、ターナー女性の身長はどの程度、伸びるのか?

これについていえば成長ホルモン治療を受けて成人身長に達した人と、治療を受けないで成人身長に達した人とを比較したデータをみると、5~10cm以上の差があります。

日本のターナー女性で治療を受けない人の平均身長は138~141cmです。その一方で、治療を行った人の例では150cm以上の人もいます。

この事実からも成長ホルモン治療がいかに有用で治療効果があるかがよくわかりますね。


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